モーツァルトの歌曲作品

特徴および演奏を聴いた感想をまとめてあります。

※ K番号に色が付けられた曲は演奏の経験があるものです。
※ 曲名に色がついているものは個人的に愛好する曲です。

K番号 作曲年 曲名 特徴・感想
53
(47e)
1768 歓喜に寄す(J.P.ウ−ツ詞)
147
(125g)
1774-76 フリーメイソン歌曲《いかにわたしは不幸なことか》(作詞者不明)
148
(125h)
1774-76 ヨハネ分団の儀式のための賛歌《おお、聖なる絆よ》(L.F.レンツ詞)
152
(210a) 
1772-75 静けさはほほえみつつ(作詞者不明) 2連から成るイタリア語の詞による歌曲。第2連を中間部として第1連をくり返す形式。
307
(284d)
1777 アリエット《鳥たちよ、毎年のように》(A.フェラン詞) フランス語の詞による。「Mais votre destinée/ ne vous permet d'aimer/ qu'à la saison des fleurs;(お前たちの生き方では/花の咲く季節しか/愛することができないものだ」で短調に変わる表現が見事だと思う。」第43小節での鳥の鳴き声のような伴もかわいらしい。
308
(295b)
1777 アリエット《さびしく暗い森で》(A.ウーダール・ド・ラ・モット詞) フランス語の詞による。森の中で眠っているキューピッドを目覚めさせてしまったばかりに、「私が忘れようと心に誓った」女性への恋に目覚めてしまうという物語。アダージョからアレグロ、プレスト、そしてもとのテンポへと変化するドラマティックな歌曲。
392
('340a)
1780頃 偉人たちの栄光に感謝せよ(J.T.ヘルメス詞)
391
(340b)
1780頃 孤独に寄す(ヘルメス詞)
390
(340c)
1780頃 希望に寄す(ヘルメス詞)
349
(367b)
1780? 満足(J.M.ミラー詞) 伴奏にピアノ版とマンドリン版がある。個人的には後者の響きが好きである。KV473の「満足」とは内容は少々異なり、「だからいつも神に感謝し、神の善意を喜ぶのだ」という神への感謝で締めくくられる。
351
(367b)
1780? おいで、いとしのツィターよ
Anh.25
(386d)
1782 ジブラルタルを歌う吟遊詩人の歌《おお、カルベよ!お前の足元に雷鳴はとどろき》(スケッチ、J.N.デーニス詞)
468 1785 フリーメイソン歌曲《結社員の旅》(J.F>ラチュキ詞)
472 1785 魔法使い(C.F.ヴァイセ詞) Der Zauberer は魔法使いとも魔術(手品あるいは奇術)師とも訳せる言葉のようだが、詩の内容からすると魔法使いの方が面白さが出るように思う。女友達の所へ飛び込んできて恋の戦慄を大げさに語る様子。 大げさな誇張ぶりは「老婆」の音楽と方向は似ているようだ。
473 1785 満足(ヴァイセ詞)
474 1785 偽りの世(ヴァイセ詞)
476 1785 すみれ(J.W.v.ゲーテ詞) ゲーテの詞に通作形式で作曲された名作。軽やかな間奏に続くト短調部分が素晴らしい。その後の「bis mich das Liebchen abgepflüct, und an dem Busen matt gedrückt(あの人は私を摘み取り、胸にそっと押し当ててくれる)」の部分のメロディーはベートーヴェンの「ピアノソナタ Op.49-1」との関連がしばしば指摘されている。
Anh.11a
(477a)
1785 オフィーリアの全快に寄せて(散逸、L.ダ.ポンテ詞)
483 1785? フリーメイソン分団の閉会に寄せる合唱付き歌曲《親しい友よ、今日こそ》(A.V.シットラースベルク詞)
484 1785? フリーメイソン分団の閉会に寄せる合唱付き歌曲《汝ら、我らが新しき指導者よ》(.シットラースベルク詞)
506 1785 自由の歌(J.A.ブルーマウアー詞)
(deest) 1786-90 フリーメイソン歌曲《死の行為》(散逸、G.レオン詞)
(deest) 1786-90 フリーメイソン歌曲《親方の仕事は成し遂げられた》(散逸、G.レオン詞)
517 1787 老婆(断片、F.v.ハーゲドルン詞) 「私の若いころはまだ物の道理が通じる時代だった」「ああ、嫌な時代ね!」というように老人の繰り言を聞かせる歌。通奏低音の書式で書かれていることと「Ein bißchen durch die Nase」という変わった発想標語が特徴。実に面白い。
518 1787 ひめごと(断片、ヴァイセ詞) 恋する若い男女の様子を歌う有節歌曲。楽想がおだやかで旋律線が美しい。
519 1787 別れの歌(E.Kシュッミット詞) 恋人への不信を歌う歌曲で、傑作の誉れ高い一曲と言える。18連から成る両大な曲であり、有節と通作の両方が取り入れらている。
520 1787 ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき(G.v.バウムベルク詞) 恋人に裏切られた女性の心理を伴奏部も見事に表現している。短いが非常にドラマティックな音楽である。
523 1787 夕べの想い(作詞者不明) 死を予感した者の諦念が歌われる内容で、歌詞の内容によって転調するメロディーは非常に美しい。
524 1787 クローエに(ヨハン・ゲオルク・ヤコービ) 少女への献身を歌う可憐な一曲。旋律はピアノ協奏曲第19番ト長調のフィナーレに似ている感じがする。
529 1787 小さなフリードリヒの誕生日(J.E.F.シャル詞)
530 1787 夢の像(L.C.H.ヘルティ詞) 「夢の中にあらわれる君の姿よ」と恋人への憧れを歌う。後奏に3連音の細かい動きが出てくることは特徴と言える。
531 1787 小さな糸紡ぎ娘(作詞者不明,、第2,3連: Danier Jäger改作) 歌詞が9番まである楽譜と3番までの楽譜がある。糸紡ぎに関係した歌らしく前奏と後奏に糸車らしい動きがみられる民謡風の1曲。
552 1788 戦場への門出に(作詞者不明)
596 1791 春への憧れ(C.A.オーヴァーベック詞) 「春の初めに」「春へのあこがれ」とともにある子供用の歌曲集のために依頼を受けて書かれた、モーツァルト生涯最後の年の作品。メロディーの最初の部分は「ピアノ協奏曲KV596」第3楽章から転用された。簡素だが非常に美しい作品だと思う。
597 1791 春の初めに(C.C>シュトルム詞) 歌詞は自然への感謝という内容になっている。宗教的な香りの高い名曲だと思う。
598 1791 こどもの遊び(オーヴァーベック詞) 9連からなる詞。「ぼくたち子どもは本当にたくさんの喜びを知っている」「ぼくたちはまだ元気なのにお日様はもう沈んでしまうの/ああお日さま、さようなら!」というように、子どもたちの元気で明るい気持ちを歌う作品。

参考文献:

海老沢敏/吉田泰輔監修『モーツァルト事典』東京書籍、1991
川村英司編・解説/喜多尾道冬対訳『モーツァルト歌曲集』全音楽譜出版社、1997
西川尚生 『作曲家◎人と作品シリーズ モーツァルト』音楽之友社、2005


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